「CT」と「一般X線機器」を同室でコンパクトにおさめる

CTとは何の略語?

CTと気軽に読んでいますが、正式名称は

【Computed Tomography:コンピュータ断層撮影】

のことです。

X線を用いて身体の内部を断面画像化する装置のことです。この画像をコンピュータ処理することで、断層画像や3次元画像に変換し、立体的に体内を診ることができます。

 

スペースの問題

「CT」による検査は精密な結果を得ることができるので、導入した方がよりよいのでしょうが、とても広いスペースが必要なうえに、とんでもなく高額です。

したがってクリニックにおいて、開院当初から「CT」を導入する事例は決して多くはありませんが、将来設置用にスペースを確保しておく、というケースまで含めると、ご要望としては少なからず存在します。

 

主戦力の一般X線機器

クリニックの主力は今でもやはり「一般X線機器」です。

「CT」と併せて設置するケースもあります。

この機器は「一般X線機器」です。

患者様が台の上で横臥し、ゴロゴロと転がされながら撮影するタイプです。

私も毎年の健康診断の際に、げっぷが出ないように食いしばりながらバーにしがみついています。総合病院の機器よりは少し簡易版でしょうか。

操作テーブルです。

モニターを見ながらレバーを動かし、目的の部位の撮影を行います。

「一般X線機器」の操作スペースは、かなりコンパクトになりました。診療科によっては廊下の一部で事が足りるものもあります。

『内科』のそれと比べて『耳鼻科』『歯科』などは診察部位が限定されていますので、本体も操作機器も小さくて済みます。

一方で「CT」に必要な操作スペースは、関連機器がまだまだたくさんあって、やはり部屋として用意する必要があります。

 

「CT」と「一般X線機器」

今回は「CT」と「一般X線機器」の両方を導入する事例について考えてみたいと思います。

このプランは「CT」と「一般X線室」の部屋をそれぞれ設け、操作室のみスペースを共有しています。

青色の部分の面積は 24.6㎡ です。

操作スペースをそれぞれ設けていない分、ある程度の効率化ができていますが、今回は、さらに一歩踏み込み「CT」「一般X線室」を同室におさめるとどのようになるか、突き詰めてみたいと思います。

このプランは「CT」と「一般X線室」を同室内に設け、操作室もを共有しています。

赤色の部分の面積は 19.7㎡ です。

約5㎡の節約ができました。

このプランの場合、実は一般撮影の「ブッキーテーブル」と呼ばれる寝台を設けていません。その分を省スペース化しています。

横臥してのX線撮影が必要なときは「CT」を使用することとし、「一般X線」を使うときは立位のみと割り切っています。

この辺りはドクターの考え方をヒアリングして進めさせていただきます。

長寝台と短寝台

上記のプランの「CT」は、すべて短寝台を採用しています。長寝台を採用すると、もっとスペースがいることとなります。

 

車椅子対応

「CT・一般X線室」は、車椅子にも対応するよう要求されるケースが多いと考えられます。

廊下から入り、寝台の上に移動できる位置まで車椅子がたどり着ける通行・転回スペースを確保することも大切なポイントです。

 

CTの技術革新

昨今「CTのコンパクト化」それに伴うコストダウンが進み、スペースの問題、予算の問題について、以前よりは敷居が低くなりつつあり、今後も事例としては増えていくものと考えられます。

今回は[キャノンメディカルシステムズ株式会社 CTスキャナ Aquilion Lightning tsx-035A]を参照させていただきました。